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シロアリ編 第2章
<目次>
・日本国内の主なシロアリ
・シロアリの起源
・シロアリの種類
・シロアリの寿命と特徴
・シロアリの行動とその仕組み
・シロアリの蟻道
・シロアリの被害
・シロアリが営巣する場所
・シロアリと鉄筋コンクリート
・シロアリの予防
・シロアリ発生の危険信号
・シロアリの不思議
・イエシロアリの食害スピード
・シロアリの冬眠
・シロアリの数え方
・シロアリ Q&A
日本国内の主なシロアリ
| イエシロアリ |

イエシロアリの羽アリ |
| 分 布 |
千葉県以西の海岸線の温暖な地域と、南西諸島・小笠原諸島。 |
| 羽アリ |
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| 体 長 |
7.4〜9.4mm |
| 体 色 |
黄褐色(頭部は暗褐色) |
| 群飛時期 |
4〜5月の温暖多湿な(むし暑い)昼間。 |
| 走光性 |
あ り |
| 蟻 道 |
加工能力が発達しており、巣と加害場所をつなぐ蟻道が100メートルに達することもある。餌取り蟻道の断面は三日月形または半円形で、内面は清潔(カラっとしている)。また、水を運ぶことができる。(水取り蟻道) |
| 加害習性 |
湿潤な木材だけでなく、被害は建物全体に及ぶ(水を運ぶ能力があるため)。加害速度は速く、被害は激烈!古材より新材を好んで加害する。 |
| ヤマトシロアリ |

ヤマトシロアリの羽アリ |
| 分 布 |
北海道北部を除いて、日本全土。 |
| 羽アリ |
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| 体 長 |
4.5〜7.5mm |
| 体 色 |
黒褐色 |
| 群飛時期 |
4〜5月の温暖多湿な(むし暑い)昼間。 |
| 走光性 |
な し |
| 蟻 道 |
水を運ぶ能力がないので、常に湿った木材中に生息し、地中や物の表面を移動し加害場所を広げていく。蟻道の断面は長円形で、内面は不潔(湿気が多いのでベトベトしている)。 |
| 加害習性 |
湿潤した木材を好み、建物の下部材を主に加害する。加害速度は、比較的遅い。 |
| 巣 |
加害木材中にコロニーができる。特別な巣を作らない。
(加害場所が巣を兼ねる)。 |
シロアリの起源
シロアリは、アリの仲間だと思われがちだが、実は、シロアリの祖先は、ゴキブリの祖先と一緒だと言われている。ちなみに、アリはハチの仲間。
シロアリが出現したのは、今から約3億年前。一方、アリ(黒アリ)の出現は、約2億年前(恐竜が出現した頃)だと考えられている。
シロアリの種類
シロアリは、木材を栄養源として生きる昆虫。世界で2891種が知られており(日本では22種が定着)、ほとんどが熱帯・亜熱帯に生息している。
「家の柱を食べる悪い虫」というイメージが強いが、木材に害を及ぼす種類は83種で、残りの大部分は枯れた木材や落ち葉などを、食物や巣の材料として運び、物質循環に大きな役割を果たしている。シロアリは益虫。決して害虫ではない。
シロアリの寿命と特徴
職蟻と兵蟻は、約2年。女王・王は、約10〜15年。長いものでは、アフリカにいるナタールオオキノコシロアリの女王蟻が、50年も産卵し続けたという記録がある。
シロアリの行動とその仕組み
シロアリは、眼が見えない昆虫だが、何を以って統制社会生活を営んでいるのか?
答えは、「フェロモン」。シロアリの出すフェロモンは、次のものが明らかになっている。
@ 性誘引フェロモン・・・羽アリが郡飛後に出す。 雌が雄を誘引するフェロモン。
A 階級分化調節フェロモン・・・女王と王が出す。 女王と王以外のシロアリが生殖力をもたないように制御するフェロモン。
B 道標フェロモン・・・働きアリが出す。 このフェロモンを地面につけながら歩行することで、仲間や自分の通路の道標になる。
シロアリの蟻道
読んで字のごとく、まさに「蟻の道」。シロアリは光や風を嫌うので、土で蟻道(ぎどう)を作り、その中を移動する。
蟻道は、水や餌を運ぶ水取り蟻道や餌取り蟻道、断面が三日月、半月、長円形・・・と、シロアリの種類や作られる場所や目的によって、形状が異なる。離れた物体間を結ぶ空中蟻道も必要な時に作る。
※蟻道(ぎどう)と蟻土(ぎど)
直射日光の当たらない部分や床下での蟻道の有無を調べることが、シロアリの侵入を確かめる第一の基本方法。木材の内部を加害している場合には、割れ目やすき間、継ぎ目などに蟻土が詰め込まれている。
シロアリの被害
シロアリの被害だけで家がつぶれたりする例は少なく、壁に割れ目ができたり、軒や屋根が波打ったり、窓や雨戸の閉まりが悪くなるような被害は、ごく自然に見られる。
ヤマトシロアリの被害が床下に集中するのに対し、イエシロアリの被害は、家屋全体(天井 まで)に広がりを見せる。
シロアリが営巣する場所
@日当たりの悪いところ
A暖かいところ
B湿気が多いところ
湿気が立ち込める風呂場は湿度も高く、シロアリにとっては格好の棲家になる。
空気の動きに敏感で、風など空気の流れに敏感。そのため、空気の動きのない場所を選んで加害する。また、蟻土(食害した木材のすき間や割れ目に詰める土。フンや唾液と混ぜたものもある)や蟻道で、活動場所を覆ってしまう。
シロアリと鉄筋コンクリート
コンクリート造りの建物も安心はできない。大アゴで少しずつコンクリートの粒子をはずしていき、厚さ5cmの壁が1週間で貫通された例もある。シロアリは、コンクリートを貫通する。
シロアリの予防
病気になる前の予防が大切なように、シロアリの被害にあう前の予防が重要である。
* 床下にカンナくずや木片が残っていないか確認する。
* 建物周辺に、木の杭や木の垣根、木片などがあると、ここからシロアリが繁殖する場合がある。敷地内に木片を放置、埋め込んだりすることはやめる。
*床下の風通しをよくするため、換気口の前に植木鉢などモノを置かないようにする。
湿気が多く、風通しの悪い場所は、シロアリ発生と営巣の要注意ポイント。
@水をよく使う(台所、洗面所、トイレ、浴室)の床下。
A水をまくことの多い玄関まわり。
シロアリ発生の危険信号
1.床がブカブカする。
2.羽アリを見た。
*羽アリを見かけたら、群れの大きさ、飛び出す穴の位置を確認する。家の中で見かけた羽アリの数は、被害の程度に比例します。
3.ふすまやドアが、スムーズに開け閉めできない。
4.浴室の窓枠、敷居が、水腐れしている。
5.床下の布基礎内部表面などに、地盤面から、土で固めたような道(蟻道)がある。
*シロアリは、土中の巣からトンネル状の蟻道を通って建物に侵入します。
6.木材の割れ目、すき間に土が詰まっている。
7.浴室のタイルにヒビが入っている。
8.木材をたたくと、ポコポコと空洞音がする。
9.外壁、内壁にヒビが入っている。
シロアリの不思議
シロアリは、なぜ木を加害するか?
シロアリは、木材の主成分であるセルロース(繊維素)を主な栄養源としている。最近の研究では、シロアリ自身でセルロースを分解・消化することが解った。また、種類によって異なるが、腸内にいる原生動物の作用によって消化するものもいる。
イエシロアリの食害スピード。
体重約3.5mgのイエシロアリが、1日に体重の50分の1程度の木材を食べることが、研究結果で明らかにされた。通常、1年間で10万匹が増産されると考えられている。
その、生産方法もこの程、単為生殖(メスばかりの巣)なども、見つかっており、まだまだ解明されていないことも多いが、例として100万頭からなる集団であれば、
3.5÷50×100万=7万mg、つまり70gの木材を一日に消費していると考えられる。
70g×365日=2万5550g=25.55kg
1年間では、住宅に用いられる、10cm断面、長さ3mのスギの柱の3本弱に相当する。
シロアリの冬眠。
基本的には冬眠しない。冬になって外気温が下がってくれば、活動量も落ちるが、他の昆虫のように冬眠はしない。というのも、基本的には熱帯地域原産であり、乾季雨季の季節がある赤道付近の昆虫であり、生態系の歴史上でも少しづつ形、社会形態を変化させて生き延びてきた。なので、寒い冬でも、暖かい日には活動する。また、シロアリは動きのムラはあっても、1日中ずっと活動している。
シロアリの数え方
答えは「〜頭」。つい「〜匹」と数えがちだが、実はシロアリだけでなく、昆虫はすべて「頭」と数える。
シロアリ Q&A
「シロアリの季節は夏だから、冬場は大丈夫?」
羽アリが出る時だけが、シロアリの活動時期ではない。シロアリは冬眠しない昆虫なので、1年中木材を食べている。恐いのは、羽アリの時期しか、気にかけないことです。
「羽アリが出たけど、市販の薬をかけたら出なくなったから、大丈夫?」
表面に出てきた羽アリは、新しく巣をつくろうとして出てきた、次期女王・王たち。土の中には、働きアリ、兵隊アリなどが、まだ何十万頭といる。羽アリだけ退治しても、意味がない。根こそぎ根本(生殖虫、女王、王)を駆除することが大切。ある種では残った職蟻が生殖虫に変態する例もある。
「建てるとき、防腐剤をたっぷり塗ったから、大丈夫?」
防腐剤でシロアリの被害を防ぐことは不可能。成分にもよるが、以前使われていた防腐剤は薬効が強くペットや人体にも影響があった為、シロアリにも効いていたというはなしはあるものの、基本的には「防腐剤と防虫剤とは別のもの」と考える。
また、シロアリ防除剤にも、薬が効く期限がある。現在の薬効は、一般的に約5年と考えてよい。
「一度消毒したから大丈夫」という油断は大敵。
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